花序の頂点は雄花(熟して花弁が赤い)、 薄緑色した半開きの花弁を開いてみると中には立派な雌しべを持つ雌花でした。 |
植物研究の大家であるI先生と共に 歩いた埼玉県内の某所(A)にて採集し た雌雄同株のナンゴクミネカエデ |
いずれも亜高山帯の尾根筋で撮影しました。 十分に生長した葉はコミネカエデよりも大きめです。 このナンゴクミネカエデとオオバミネカエデ、そして ミネカエデの分類については諸説あり、 葉の姿形だけではなかなか区別をすることは難しいと感じていましたが、結果的にはオオバミネカエデはナンゴクミネカエデの変異内であると結論付けました。 調査を始めてから数年、埼玉県内に自生するミネカエデ類はコミネカエデとナンゴクミネカエデであることが判りました。 ここまでの調査結果については、埼玉県自然の博物館研究報告「埼玉県内にはミネカエデ(Acer pellucidobracteatum)は 分布しない」(Bull.Saitama Mus. Nat. Hist. [N.S.] No.16, 21-24. March 2022)にて発表済みです。 |
2020年、コロナ禍で外出もままならない最中に手持ちの標本を再確認・・・2017年に県内某所で拾った葉の標本&写真の中に雌雄が
同じ花序についているもの(雌雄同株)を確認しました。 当時は顕微鏡を持っていなかったのでにそのまま標本にしてしまいましたが、その後縁あって顕微鏡が手に入ったので拡大してみました。 ナンゴクミネカエデは他のミネカエデ類(コミネカエデ、ミネカエデ、オオバミネカエデ)と違って、図鑑等では雌雄異株と言われているので、 雌雄同株が存在しているとしたら今まで脳内に詰め込んだ情報を整理し直す必要があります。 |
↑2017年採取当時に撮影した写真 | ↑花序のアップ(先端が雄花) | |
↑2020年に改めて撮影した雄花の部分 | ↑2020年に改めて撮影した雌花の部分 |